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2024年4月20日 手にはまりやすい作曲家とはまりにくい作曲家

あっという間に4月も下旬。
若葉の緑が目にまぶしい季節になりましたね。
新年度から新しい環境になった方も
そろそろ慣れてきたころかと思います。

私も新しく担当することになった学生たちの顔と名前が
ようやく一致してきました(笑)

ところで先日
ホームページのコンサート情報を更新しました。
6月以降の演奏会をアップしていますので
ご覧いただけましたらうれしいです。
https://seikomiyamoto.com/schedule/

さて今回はHPでもご案内している
6/16のコンサートで私が演奏する
ブラームスについて。

6月16日(日)14時~@ムラマツリサイタルホール新大阪
第2回 関西ピアノフェスティバル
名曲の玉手箱~青柳晋氏とともに

日本を代表するピアニストの1人である青柳晋氏と
関西の実力派ピアニスト5人による
(恐れ多くも私もその一員に入れていただいております)
超絶技巧曲あり
有名な曲あり
味わい深い名曲ありの
贅沢で盛りだくさんのコンサート。

(詳細とお申し込みはイープラス 
https://eplus.jp/sf/detail/4078150001
より!)

このコンサートで私は
ブラームスの晩年の名曲
ピアノのための6つの小品 作品118より
4曲を演奏します。

9月末のソロリサイタルでも演奏する予定の曲なのですが
(リサイタルでは6曲とも弾きます)
実は私、ブラームスのソロの曲を
リサイタルのプログラムに入れるのは初めて。

ブラームスの室内楽は
今までにたくさん弾いてきていて
大好きな作曲家の一人なのですが
なかなかソロの曲を弾く勇気が出ず…

というのも私にとってブラームスは
手にはまりにくい作曲家なのです。

テクニック的に難しそうでも
音型に指使いがきれいにはまって
聞こえているよりも弾きやすいということがあります。

例えばリスト。
超絶技巧の代表選手ですが
彼自身が大ピアニストだったので
演奏効果が上がり
指がはまりやすい音型や跳躍のさせ方を熟知しているので
意外と弾けてしまったりする。

ショパンも結構手にはまりやすく書いています。

逆にピアノをあまりうまく弾けない人が
作曲したり編曲したりしていると
そんなに音も多くないのに
どんな指使いにしても弾きにくい音型で
苦労が多いわりに演奏効果がないことがままあります。

巷の流行の曲をピアノ用に編曲している楽譜だと
よくそんなことがあり
そういう時は殺意が湧きます(笑)

ブラームスは
決してピアノが下手だったわけではありません。
というより名手でした。

でもねぇ…
弾きにくいのです。

その幅広いアルペジオと跳躍が
なかなか手にはまらず

ヴァイオリンソナタやクラリネットソナタは
今まで何度も本番で弾いているのに
思うように本番で弾けたためしがない(泣)

アンサンブルの名手で
私の東京とベルリンでの先輩(女性)が
「ブラームスが難しい」とSNSで呟いていて

彼女に賛同している
日本人女性ピアニストたちのコメントが結構あったので
「私だけじゃないんだ」と安心したのですが(苦笑)

ドイツ人のがっしりしたおじさんのブラームスは
きっと手が違うのです。
日本人女性の私たちとは。

なので苦労する。
練習大変。本番のストレスも大きい。

だけど
その曲の美しさはその苦労を超えて余りあるので
やっぱり弾きたくなるのです。

今回演奏する作品118はずっと憧れていた曲集でした。
いつか弾きたいと思っていたのですが
人生いつどうなるかわからない年齢になってきたので
弾きたいと思っていた曲はどんどん弾いていこうと思い
今回取り組むことに。

泣きたくなるほど優しい愛情に満ちた
この曲の感動をお伝えできるように
頑張って練習して
弾きにくさを乗り越えていこうと思います。

6/16、ご都合よき方はぜひ!

最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた来週に!

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