厳しすぎる残暑が続いておりますが
皆様いかがお過ごしでしょうか?
この暑さの中オリンピックに引き続き
甲子園では熱戦が繰り広げられていますね。
約1週間後に美術館でリサイタルなので
練習に追われてゆっくり見ている暇はないのですが(苦笑)
若人たちの青春をかけたドラマに
クーラーの利いた部屋で
おばちゃんは胸を熱くしています(笑)
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「4Bのパストラール」約1か月後になりました
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さてベートーヴェン生誕250年の2020年から開始した
ベートーヴェンのピアノソナタを軸としたプログラムによる
「ベートーヴェンとともに」シリーズの第5回
「4Bのパストラール」
早くも約1か月後となりました。
詳細&お申し込みはこちら↓
https://seikomiyamoto.com/concert240927/
「4B」とは
3大Bのバッハ、ベートーヴェン、ブラームスに、
私の大好きな作曲家バルトークを加えた
イニシャルBの4人の作曲家たちのこと
「パストラール」は「牧歌」という意味なので
彼らの田園風景を彷彿とさせる曲でプログラムを組んでいます。
なので9/27のコンサートまでは
演奏する曲や作曲家についての
エピソードや私の想いを
つらつらと書いていこうかなと思っています。
第1弾は皆さんにとって一番なじみがないと思われる
バルトークについて(笑)
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バルトークってどんな人?
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バルトーク・ベーラは1881年生まれのハンガリー人。
(ハンガリーでは日本と同じように姓を先、名を後に表記します。)
作曲家であり
卓越したピアニストであり
民俗音楽研究家でもありました。
東ヨーロッパの農村などを回って
民謡を収集、分類、分析し
それらを自分の作曲にも取り入れて
独自の語法と作風を生み出しました。
バックハウスが優勝したコンクールで
2位となるほどの腕前を持つピアニストでもあり
26歳にしてブダペスト音楽院のピアノ科教授となりました。
しかし「作曲は教えるものではない」という信念のもと
作曲科の教授には生涯ならなかったそうです。
結婚は2回。
1回目は28歳の時に16歳の生徒と。
2回目は42歳の時に19歳の生徒と。
写真を見ると神経質で気難しそうなんですが
やるなあって感じ(笑)
第2次大戦中の1940年に戦争の影響を避けてアメリカに移住。
1945年にニューヨークで白血病のため亡くなりました。
有名な曲は
ルーマニア民俗舞曲(ビフォアーアフターのBGMにも使われてた)
管弦楽のための協奏曲
ミクロコスモス(ピアノ教本)など。
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バルトークとの出会い、そして夢中に
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私のバルトークとの出会いは
小3ぐらいのとき。
初見の練習用に
「ミクロコスモス」を先生から与えられました。
ミクロコスモスはバルトークが
息子のピアノ教育用のために書き始めた
6巻153曲からなるピアノ教本であり小曲集です。
巻が進むごとに難易度が上がり
内容も芸術的になっていきます。
5巻以降は演奏会でも使えるレベルです。
それまで調性音楽にのみ親しんでいた私にとって
バルトークの不協和音や旋法
変拍子や変則的で打楽器的なリズムは新鮮で刺激的で
結構楽しんで取り組んでいました。
現代音楽に拒絶反応がなく割と好きなのは
早い時期にバルトークに親しんだからかもしれません。
2巻から3巻の途中くらいまでやって終わってたのですが
音大に進学して最初に与えられた課題が
「ミクロコスモスの5巻と6巻を全部やる」
でした。
なぜ先生がその課題を私に与えたのかは謎ですが
(周りは誰もやってなかった)
当時私が師事しでいた先生はバルトークの研究に夢中で
レッスンに行くたびに
「バルトークは黄金分割を使って作曲をしているんだ」
とか
「フィボナッチ数列を使ってるんだ」
とか
数学と音楽の関連について説明されました。
割と数学も好きだった私は
そんなお話を毎回聞くのも楽しくて
(半分くらいしか理解できなかったけど)
ますますバルトークに興味が湧き
室内楽の試験では
「コントラスツ」という
ヴァイオリンとクラリネットとピアノによる
トリオの名曲にも挑戦しました。
ピアノ協奏曲第3番もとても好きで
死ぬまでにオーケストラと弾きたいピアノ協奏曲
ベスト3の1つです。
(そしてこの曲だけがまだオケとの共演が叶ってない)
2台ピアノと打楽器のためのソナタという
超絶かっこいい曲もありまして
それもいつか弾きたいと思っている曲です。
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「戸外にて」との出会い
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私はバルトークの勉強をしに
ハンガリーに留学しに行こうかと思ったほど
(結局ベルリンに行ったけど)
バルトーク大好きなのですが
その中でも愛してやまないのが
今回演奏する
「戸外にて」という5曲からなる作品です。
曲についての詳細は長くなるので次回のメルマガに回しますが
今回はその曲と出会った時のことだけ。
日本の音大生時代に
デジュ・ラーンキというピアニストのコンサートに行きました。
ハンガリー3羽烏の一人(コチシュ、シフ、ラーンキ)で
はっきり言うと顔に惹かれて行ったのですが
(超美男子です。私はハンサムに弱い)
その時の彼の顔ではなく
「野外にて」の演奏
特に第4曲の
「夜の音楽」に心を奪われました。
そして「絶対にこの曲を弾きたい」
と思い
卒業試験で挑戦しました。
それ以来コンクールでも
25年前のデビューリサイタルでも
折に触れて弾いてきた大好きな曲です。
ぜひともこの素晴らしい曲の世界を
皆さんに体感していただきたいです!
語りだしたら止まらなくなりそうなので
今日はこの辺で止めておきます(笑)
次回また私のバルトーク愛にお付き合いください!