先日暑い沖縄から配信しましたが
帰ってきたら大阪も暑い…
沖縄の人が
「梅雨明けした今は地獄の入り口でこの地獄がこれから3か月続きます」
と言ってましたが
大阪も(というか全国的に)まだ梅雨中なのにこの暑さ。
ここから暑さ地獄の本番になっていくと思うとぞっとしますね…
でも私の1年は後半のほうが
ソロリサイタルを始めとする演奏会が詰まっているので
暑さに負けていられません!!
(それぞれのコンサートについては改めて随時ご案内しますが
HPのスケジュール欄↓
https://seikomiyamoto.com/schedule/
もご覧いただけると嬉しいです!)
しっかり食べてしっかり眠って
この夏しっかり練習していこうと思います!
ところで沖縄に行く前に
ホールでの弾き合い会を開催しました。
練習しているときはうまく弾けても
いざ誰かの前で舞台に立って
いつもと違う環境で演奏すると
緊張して普段できていることもできなくなってしまうことはよくあります。
コンクールや試験、発表会や演奏会を控えている人が何人かいたので
いつものスタジオよりももっと本番に近い環境のホールで
リハーサルしてもらいました。
私自身も人前で初めての曲を弾くのはものすごく恐ろしく
特に暗譜の不安がいっぱいなので
その一番重要な本番に向けて
何度も同じような状況で人前で演奏する練習をしています。
(なので私も弾かせてもらいました。)
最初は思いもかけないミスをしてしまっても
何度も人前で弾く経験を重ねていくと
ただ漫然と家で練習しているだけでは見えなかった問題点が分かり
それに対処する方法を講じていけるので
弾き合い会という場をとても私は大切にしています。
で、毎月1週目はピアノ上達のためのお役立ち情報をお届けしているので
今回は人前で演奏するときに一番大切な
「流れを止めない」ということについて。
新しい曲を譜読みしているときや
うまく弾けない箇所があるときは
曲の途中で止まりながら練習をすることになりますが
曲を仕上げる段階になったら
「音楽の流れを止めずに最後まで弾く」ことが重要になります。
まじめな人ほどミスを気にして
その度に止まったり弾き直しをしてしまいやすいですが
ミスすることよりも音楽の流れを止めてしまうことの方が
演奏する上で重大な過ちです。
何があっても流れを止めずに一曲を通して弾ききるための
心構えと練習の仕方を解説します。
☆曲を仕上げるとは?
「人前でその曲の演奏を披露できる状態にする」ということです。
人前での演奏する機会は発表会、コンクールのような大きな本番のこともあれば
家族やお友達など親しい人の前であることもあるでしょう。
レッスンで先生に最初に通して聴いてもらうこともその一例です。
音楽は時間の芸術です。
曲が始まってから終わるまで常に時間が流れていきます。
止まったり逆行することはありません。
発表会やコンクールなど人前で演奏を披露するとき
演奏を一旦始めたらその曲のテンポ感で
時間を止めずに最後まで弾き通すしかありません。
誰かに演奏を聴いてもらうことには
その曲が終わるまで時間の流れを止めずに
演奏を全うする責任があるのです。
☆人前での演奏時の心構え
・その1 最初の一音を出す前に覚悟する
最初の音を出してしまったらもう時間を止めることはできません。
どういうテンポで弾くのか
どういう音量で、音色で始めるのかしっかりイメージをし
そのための手と指の準備ができたら
最後まで何があっても弾ききるぞと覚悟を決めて
第1音を出しましょう。
・その2 過去は振り返らない
ミスはないに越したことはありません。
なるべくミスを少なくし精度を上げるための練習は常にしなくてはいけません。
しかし私たちは機械ではありません。
人間なのでミスをしてしまうことはどうしたってあります。
出てしまった音は取り消すことができません。
やってしまったら仕方がない。
ミスした動揺を引きずらないで
気持ちをすぐ切り替えることが大切です。
過去は振り返らず前を見て
次の音から正しく弾くことを心がけましょう。
・その3 自己申告しない
まじめな人ほど間違いを訂正せねばと思ってしまい
止まって弾き直す傾向がありますが
ミスは弾いている本人ほど聴いている人は気にならないです。
というか気づかないことが多いです。
演奏者が自己申告しなければ。
自分以外で気づくのは
せいぜいいつも練習を聴いている家族と先生くらいです。
「今間違えました。直します。」
と正直に言う必要は全くありません。
知らん顔してごまかしてください(笑)
普段の生活では、悪いことをしたりまちがえたら
「ごめんなさい」ときちんと言って謝らなくてはいけませんが
演奏するときはどんなに間違えても自分から白状しない。
謝らない。
「この音が正しいのよ」というような顔をして
知らんぷりして弾き続けましょう。
そういうところは図々しく、図太くなってくださいね(笑)
ピアノソロの場合人前で弾くときは
暗譜で弾かなければならないことがほとんどです。
本番で緊張して弾いていると
ふといつも何気なく弾いていたところの音がわからなくなることがあります。
でも次の音がわからなくなっても決して演奏をやめないこと。
作曲してもいいから
正しい音に戻ってこられるまでとにかく何かの音を弾き続けましょう。
☆一曲を弾きとおす練習
片手練習や部分練習を積み重ねてある程度弾けるようになってきたら
1日1回通して弾く練習を取り入れてください。
1曲の間集中力を保ち続けるのは初めはなかなか難しく
部分的に練習していた時には問題なく弾けていたところが
通した時にはうまくいかなくなってしまうこともあるでしょう。
でも流れは止めないで
何とかして最後までたどり着く練習をしてください。
そのような練習で
弾けているつもりだったけれどまだ不安定なところを見つけることができます。
集中力の持続も
通し練習を繰り返すうちにだんだんとできるようになっていきます。
ミスへの対応の仕方、正しい音への復帰の仕方もうまくなっていきます。
ただテンポで通し練習ばかりしていると
ごまかし方だけがうまくなっていって演奏の端々が荒れてくるので
部分練習や片手、ゆっくり練習も本番まで常に並行して続けてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
向暑の折、皆様どうぞご自愛ください。