次のコンサートのご案内 12月15日(日)Seiko×Seiko ヴァイオリンとピアノによるデュオコンサート

2024年12月7日 プーランクと私

師走になりましたね。
自分の本番と発表会が1週間後と2週間後に迫ってきていることもあり
今年最後の月は例年に増して忙しない気がします。

計画ではもっと余裕で
いろいろなことが仕上がっているはずだったのですが
結局ギリギリ星人。
今日のメルマガもギリギリで土曜日はあと1時間。
配信は日付を超えてしまいそう…(笑)

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プーランクを知っていますか?
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さて
ヴァイオリニスト阿佐聖姫子さんとのデュオリサイタルが
1週間後になりました。

そのコンサートでプーランクのヴァイオリンソナタを演奏するのですが
皆さんプーランクという作曲家をご存じでしょうか?

1899年フランスのパリで生まれ
1963年にパリで亡くなった生粋のパリジャン。

「フランス6人組」の一人で
彼が作る曲は軽快、軽妙で趣味がよく
ユーモアとアイロニーと知性があり
「エスプリの作曲家」とも言われます。

熟達したピアニストでもあったので
ピアノ曲も多く
「エディット・ピアフを讃えて」とサブタイトルのついた即興曲は
シャンソンのような哀愁漂うメロディが印象的な曲でよく演奏されます。

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プーランクの室内楽
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とはいうものの私自身には
プーランクのピアノ曲のレパートリーは全くなく(苦笑)
室内楽の方がなじみがあります。

私が最初にプーランクに出会ったのは
「ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲」

東京の音大時代室内楽の試験で
当時伴奏していたファゴットの先輩が
「すごくいい曲だからやろうよ」と勧めてくれて

軽妙洒脱で
時にはメランコリックで
美しさとウィットにあふれた曲に
すっかり夢中になりました。

プーランクは
弦楽器よりも管楽器の音色を好んだようで
室内楽においても管楽器のための作品が多く

クラリネットソナタやフルートソナタは
私も今までも何人もの奏者と演奏してきました。
美しく、かっこよく、そしておしゃれなプーランクの曲たち。
どれも大好きです。

まだ弾いたことはないけど憧れているのは
「2台ピアノのためのソナタ」で
だれか一緒に弾いてくれないかなあとずっと共演者募集してます(笑)

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プーランクのヴァイオリンソナタ
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弦楽器の曲を書くことが
プーランクは得意ではなかったようで
弦楽器の室内楽曲は「ヴァイオリンソナタ」と「チェロソナタ」の2曲だけ。

今回演奏するヴァイオリンソナタは
管楽器の曲に比べて
重々しくて深刻度が高く厳しいキャラクターです。
ほかの曲と比べるとちょっと異質。

というのも
スペイン内線で銃殺された詩人ロルカをしのんで作曲された曲で
「荒々しく」という指示や
軍隊の行進を思わせるような部分があり
3楽章には銃声のような音も聞こえてきます。
(私は最後に銃声が響き渡っていると思っていたのだけど
阿佐さんは3楽章の途中に現れると言ってました)

怒りや憤りともとれるような
生々しく激しい感情表現が露わにされているところが
軽妙洒脱なプーランクのほかの曲と
一線を画していると思います。

軽く楽しく聞ける曲ではありませんが
心にズシンと響くものを感じる曲です。
ぜひコンサートで聴いていただきたいなあと思っています。
(12/15(日)16:30~ 
@高槻高槻城公園芸術文化劇場 太陽ファルマテックホール
https://seikomiyamoto.com/concertseikoseiko241215/
チケットまだあります!)

ちなみに
2楽章の冒頭にはロルカの詩『六本の弦 』の
冒頭のフランス語訳が掲げられています。
日本語に訳すと
「ギターは数々の夢を泣かせる」

ロルカの詩をいくつか読んでみたのですが
比喩が多すぎてその比喩の内容がわからないので
詩の内容もいまいち分からず
私の頭では何がよいのか残念ながら分からなかったのですが

日本でも人気が高い詩人だそうです。
戯曲も書いていて
日本で上演されることが今もあるようです。

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プーランクを身近に感じた話
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ところで私
プーランクの姪御さんに会ったことがあります。

ベルリン留学時代のある夏に
ラヴェルの生地、
サン= ジャン= ド= リューズという町で開催されていた
講習会を受けに行った時のこと。

参加者でグループを組んで室内楽クラスを受講することができたので
私はフランス人の男の子2人と
「ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲」
のレッスンを受けました。

講習会の最後には研鑽を発表するコンサートがあり
私は彼らとその曲を弾きました。
演奏後一人の上品なおばあさんがやってきて

「私プーランクの姪なの。
伯父の曲を演奏してくれてありがとう」

と声をかけられました。

大作曲家は昔の人、遠い人という気がしますが
ああ、プーランクは意外と最近まで生きていたんだと
(当時は没後40年くらいでした)
大作曲家の息吹を感じた嬉しい瞬間でした。

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12月の予定
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12月15日(日)Seiko×Seiko ヴァイオリンとピアノによるデュオコンサート
高槻城公園芸術文化劇場 太陽ファルマテックホール
ヴァイオリン:阿佐聖姫子 ピアノ:宮本聖子
https://seikomiyamoto.com/concertseikoseiko241215/

12月22日(日)Christmas Concert 2024
豊中市立文化芸術センター小ホール
阿佐さんと私の生徒による発表会です!

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最後までお読みいただきありがとうございました。
ああ、やっぱり日付が変わってしまった。
皆さんは早く寝てしっかり睡眠取って
寒さに負けず風邪ひかないようにご自愛ください。

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