先週末、久保惣記念美術館でのコンサートを無事(?)終えました。
反省点はいろいろあれど、素敵なホールで楽しく弾かせていただいてきました。
その後展覧会も見て楽しい一日でした。
そして今回また間際のお知らせなのですが、
あさって10/1(日)に和歌山市に新しくできた和歌山城ホールでのジョイントコンサートに出演します。
ベートーヴェンの12番のソナタを抜粋で10数分弾きます。
とても評判のいいホールで今回初めて弾けることにワクワクしています。
詳細は私のHPのスケジュール欄にありますので
http://seikomiyamoto.com/schedule.html
↑ご興味ある方はこちらからご確認ください!
さて今回は作品番号について。
曲名の後に数字がよくついているのを見ると思います。
例えば今回の私のリサイタルで弾くプログラムは
D.スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380 L.23
J.ハイドン ピアノソナタ 第38番 ヘ長調 Hob.XVI:23
W.A.モーツァルト ピアノソナタ 第11番 イ長調 K331 「トルコ行進曲付き」
L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ第12番 変イ長調 Op.26 「葬送」
L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ 第26番 変ホ長調 Op.81a 「告別」
なのですが
ピアノソナタ第○番 だけでなくその最後についている番号は何?
おまけに作曲家によってついているアルファベットが違うし・・・
と思ったことはないですか?
「Op.」はスタンダードです。「オーパス」と読んで
楽譜が出版されるときにつけられる番号なので、
作曲家が作曲した順、出版した順が大体わかります。
ではOp.以外は?を今回演奏するベートーヴェン以外の3人のことで説明したいと思います。
まずスカルラッティ。この人はソナタと名のつく曲を500曲以上作りました。
これだけあると同じ調性のソナタもたくさんあるので
例えば「ハ長調のソナタ」と言われただけでは何十曲もハ長調のソナタがあるので
番号がないと特定できません。
そこで役立つのが音楽学者が整理してつけてくれた番号です。
スカルラッティではカークパトリック氏がつけたK.(カークパトリック)番号と
ロンゴ氏がつけたL.(ロンゴ)番号を私たちは判別のよすがにしています。
ハイドンの作品に付けられている番号は、ハイドンの膨大な作品を分類、整理したホーボーケン氏の頭文字Hob.です。
プラスその後にローマ数字がついています。ハイドンは交響曲、室内楽、オペラ、カンタータなどなど様々なジャンルの曲を書いたので、ローマ数字でどのジャンルの曲かを表しています。
ピアノソナタにはXVIが割り振られています。そして最後の数字が重要になるのですが
今回私が演奏する曲はピアノソナタ第38番と書いてあるのに
Hob.XVI-23なのはなぜ?と不思議に思いませんか?
実はハイドンは60曲ほどピアノソナタを書いたと言われていますが、本人が書いたのか疑わしいものも含まれていて
出版社によって採用している曲の数が違い番号も違うという、とても面倒なことになっているので
ホーボーケン番号が一番どのソナタなのかを特定するのに役立つのです。
モーツァルトの曲はケッヘルという学者が作曲順に並べて番号付けたK(ケッヘル)番号で判断します。
KVと書かれていることもあります。
5,6歳で書いた1ページの曲にも交響曲にもオペラにも、曲の規模にかかわらず等しく1曲に1つの番号が割り当てられています。
モーツァルトも出版社によってピアノソナタが17番までだったり18番までだったりするのでケッヘル番号が重要。
ちなみにモーツァルトの最後の曲、レクイエムの番号はK626。35年の生涯で626曲作曲したということです。
と今回は真面目な豆知識の回でした。
私はリサイタルの時、曲間でいろいろトークするのですが
このことは今回話す時間がなさそうなので頑張って書いてみました。
皆さんの疑問が解決されたなら幸いです。(別に疑問に思ったことがなかったかもしれないけど(笑))
10/14のリサイタルのチケット絶賛発売中です。
ご都合のつく方はぜひこちらから↓
http://seikomiyamoto.com/concert231014.html
最後までお読みいただきありがとうございました。
まだまだお昼間は暑いですが皆様どうぞご自愛ください。
来週もお楽しみに!