宮本聖子ピアノリサイタル ベートーヴェンとともに vol.5 YouTubeで限定有料配信中   6月14日(土)えんてくらぶ ミニコンサート付きリニューアル&再始動記念パーティー

2023年10月13日 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの弾き方のちがい?

いよいよ明日となりました。
私にとって年1回の最大の勝負の日
「ベートーヴェンとともに」シリーズのソロリサイタル(笑)。

展示する書も表具されて手元に来ました。
当日配布のプログラムも届いて
準備が着々と進んでおります。
後は私の演奏としゃべりを万全にするのみ!
と気合いを入れ直している宮本聖子です。

さて演奏会前最後のメルマガは
(演奏会後も続けますのでほんとの最終回ではないですよ!)
今回演奏する3人の古典派の大家
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの弾き方の違いについて。

といってもややこしい話ではありませんよ。
私の個人的感想の話です。

以前にも書きましたが
私の演奏スタイルはたまたま
比較的ベートーヴェンに合っているので
あまり苦労はしないのですが

ハイドンやモーツァルトは
ベートーヴェンよりももっと音数が少なく
だからこそより繊細な音色と響きのコントロールが求められるので
どう弾いていいのか学生の頃は分かりませんでした。

「あなたのは全部ベートーヴェンになるのよ」
と先生によく言われましたが
どうしたらよいのやら・・・

ハイドンは38歳、モーツァルトは14歳ベートーヴェンより年上です。
当時のピアノは現代のものとは発音の仕組みも違い
楽器の大きさも小さく、重量も軽く、ピアノの材料も違ったので
音量も小さく、響きも軽く繊細でした。

彼らが活躍しているころにどんどんとピアノは改変されていき
ハイドンが生まれたころとベートーヴェンが亡くなるまでの約100年の間に
楽器のパワーや響きの可能性というのは大きく広がって変化しました。
ハイドンやモーツァルトが知らないピアノの響きを
後進のベートーヴェンは知っていて作曲に利用していたわけです。

またハイドンやモーツァルトは貴族に仕えて
彼らを喜ばせるための心地よい音楽を主に書いていましたが
(だからと言ってもちろん価値が低いわけではありません。
その中で彼らは実験を行い自己の芸術を発展させていきます)

ベートーヴェンは貴族に帰属することを良しとせず
(でも支援はありがたく受けていました)
自立した音楽家として自分の芸術を押し進めていった強さがあります。

私のもともとの骨太の体格と性格が
ハイドン、モーツァルトの音楽よりも
ベートーヴェンに向いていているのは
その辺の理由かなと思います。

そしてガサツな性格が災いして
ハイドンやモーツァルトを繊細に弾こうとすると
恐る恐る弾いてしまって音がひ弱になりすぎたり
fをどのくらい出していいものかが分からず
平板なつまらない音楽になってしまうという状態に陥り

聴くのは好きだけど弾くのは楽しくない
自分がうまく弾けていないのもわかっているし
はっきり言ってストレス
だから弾かない

と逃げ続けておりました。(苦笑)

でもいろいろと勉強して
とくに室内楽で経験を重ねたことと
生徒を指導していくうちに
(教えることは習うことだなあとつくづく思います)
自分なりの答えが見えてきました。

こういう音色でこういう表情で弾きたい
というイメージが見えて(聴こえて)きて
そのイメージ通りに弾くにはどうすべきかを試行錯誤して

やっと人前に出してもいいレベルになったかなと思い
今回皆様に聴いていただくことにした次第です。

ロマン派や近現代のものよりもずっと音数が少なく
テクニック的には簡単だけれど
だからこそごまかしの利かない古典派のソナタ。

本人は身を削って弾きますが(その割にちっとも痩せないけど)
皆様には楽しく元気になる時間をお届けできればと思っております。
ゆるいけどためになるトーク(ほんまか?!)もお楽しみに!

今日中にお申込みいただけましたら前売り料金です。
当日券は500円アップになりますのでお早めに!
詳細&お申し込みはこちら
http://seikomiyamoto.com/concert231014.html

最後までお読みいただきありがとうございました。
気温差の大きな今日この頃
どうぞご自愛ください。
明日お目にかかれますことを楽しみにしております。

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